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腰痛99話



10腰痛対策 股関節のゆがみを、ひもしばりで改善


11腰痛発生の背景は直立歩行の負担にある

12腰痛原因は背骨のつくり自体にある

13腰を痛めやすい「そり腰の人」

14腰痛原因の大半は筋肉疲労からくる腰痛症




10腰痛対策 股関節のゆがみを、ひもしばりで改善

イスにすわって足を組んだときやあぐらをかいたとき、

どちらかをいつも上にするクセのある人が多いのではないでしょうか。

女性なら横すわりをしたとき、同 じ側に足をくずす習慣がある人も多いと思います。

しかし、こうした習慣が膝痛や腰痛、肩こりや冷えなどの原因になっているのです。



その理由は、股関節のゆがみにあります。


例えば左足に足をくずす習慣のある人は、常に片側の筋肉が緊張した状態になります。

するとその筋肉の中を通る血管が圧迫され、血行が悪くなります。



血行が悪くなると酸素や栄養がうまく運ばれなくなり、老廃物の排泄が滞るので股関節につながる筋肉がかたくなります。

その結果、さらに足をくずさないと苦しくなります。

股関節がゆがむような習慣で筋肉のつき方が変わってしまい、

それに影響されて股関節のゆがみがひどくなるという悪循環になってしまうのです。

こうした現象は、実はほとんどの人にあるとされています。



股関節のゆがみは下半身の血行を悪くするので、足の冷えや膝痛などと関連します。

また骨盤内の臓器の血行も悪くなるので、生理痛や生理不順などの症 状も引き起こします。

さらに頭寒足熱という人体の原則にも反するので、自律神経のバランスをくずし、

自律神経失調症、頭痛、不眠なども引き起こすのです。



股関節のゆがみを解消する腰痛対策として考案されたものがひもしばりです。

試しに膝の上をぎゅっとひもでしばってみてください。

このときに注意するのは、細くくい込むようなひもを使わないことです。

また、強くしばっても、足の血管は筋肉の内側を通っているので、血行が妨げられることはありません。

最初 は膝上に1本、慣れてきたら膝下、くるぶしのすぐ上(足くび)を加えて3点をしばると完璧です。

最初はゆるめに、慣れてきたらぎゅっとしばってください



実際に行うと、しだいに少し不自由な感じがしてきますが、これは股関節のゆがみによるものです。

ふだん無意識でくずしている左右のバランスをくずさ せないために、違和感を覚えるのです。

ひもしばりは、職場でデスクに向かっているときや睡眠中でもできます。

最初は違和感があって眠れないという人もいま すが、

慣れてくると「ぐっすり眠れるようになり、翌朝の爽快感が違う」という人もたくさんいます。




11腰痛発生の背景は直立歩行の負担にある

一生の間に、80%の人は腰痛を経験するといわれます。

なぜ、それほど腰痛に悩む人が多いのでしょうか。


数百万年前、人類は4足歩行から2足歩行へと画期的な進化をとげ、手の自由を獲得しました。

ところが、そのとき同時に腰痛という宿命も負わされたのです。



4足歩行のときは、背骨は上半身と下半身を水平につなぐ梁(はり)の役割をしていました。

上半身は2本の前足、下半身は2本の後ろ足で無理なく支え られていたのです。


ところが、2足歩行とともに、背骨は直立を余儀なくされました。

とはいえ、もともと梁用に作られた骨格ですから、そう簡単に直立することができません。

たとえば股関節です。

4足歩行の場合、犬や猫を見ても分かるように、骨盤と足が股関節で大きな角度をつくっています。

2足歩行をするため には、まず足と骨盤をまっすぐにつながなくてはならないのです。


実際には、人体の骨盤は30度ほど前方に傾いていて、骨盤の軸と足が平行になるには、あと30~60度は不足しているといわれています。


まだ4足歩行時代の“しっぽ”がとれずに残っているというわけです。このまま2本の足で体を支えようとすれば、上体は大きく前方に傾いてしまいます。


これを補うために長い年月をかけて変形したのが背骨です。

背骨を横から見ると、腰の部分で前方に弓形にそり返っています。

骨盤から背骨がそり返って 立ち上がることにより、上半身はまっすぐに立っていることができるのです。


さらに首を持ち上げるために、背骨は首の部分でも前方にふくらみを持たせました。

腰と首のS字形の彎曲(わんきょく)を、背骨の生理的彎曲といいます。

しかし、これは同時に人体の弱点ともなりました。

そり返った形で重い上半身を支える腰と、頭を支える首に過重な負荷がかかり、腰痛や肩こりを起こしやすくなったのです。



12腰痛原因は背骨のつくり自体にある

背骨は、尾骨まで含めると32~35個の椎骨(ついこつ)という骨がレンガのように積み重ねられてできています。

椎骨と椎骨は背骨の後ろ側でかみ合 い、椎間関節を構成します。


しかし椎骨はかたい骨ですから、そのままでは互いにぶつかり合い、きしんでしまいます。

そこでそんなことがないよう、椎骨の間 にクッションとしてはさみこまれたのが、椎間板(ついかんばん)という弾力に富む軟骨です。


椎間板は、椎骨の動きに従って圧縮され、背骨の動きを可能にすると同時に、

1個1個の骨にかかる衝撃を軽減しています。

衝撃は、背骨の生理的彎曲に よっても軽減されます。

背骨がまっすぐの棒でできていれば、跳んだりはねたりした衝撃がそのまま脳を直撃してしまいますが、

背骨が彎曲し、しかも弾力があるため、衝撃は脳に伝わるまでにずっと小さく抑えられているのです。



しかし、こうした衝撃を吸収するために、そっている腰の部分は大きな負担、

つまり圧力を受けてしまいます。

背骨の動き自体も問題です。


私たちがおじぎをすると、いちばんよく曲がるのは腰、正確にいえば腰椎(ようつい)の4番と5番です。


胸椎は肋骨という大きな骨を抱えているため、前方へはわずかしか 曲がりません。


上半身を90度に曲げるとき、腰椎が45度曲がり、

残りの角度は骨盤の回旋(かいせん)によってまかなわれています。


腰椎はこのように動く 範囲が広いため、それを支える筋肉の負担も大きく、

疲労が重なると腰痛を起こしやすいのです。




13腰を痛めやすい「そり腰の人」

人間は骨格的にも、背骨の動きの面からいっても、腰痛という爆弾をかかえています。

だからといってだれでも腰痛を起こすわけではなく、その引きがねがあるのです。



その一つが姿勢です。


姿勢が悪いと背骨の生理的彎曲がくずれ、一部の背骨や筋肉に大きな負担がかかります。

特に腰痛を起こしやすいのは、俗にいうそり腰の人です。



腰椎は少しそっていて自然ですが、

このそりが強すぎると椎骨の後ろ側、つまり椎間関節で体を支えることになります。


ここは本来体重を支える部位では なく、そると椎骨自体の後ろ側のあきが狭くなり圧迫されます。


これが神経を圧迫したり、筋肉を疲労させて腰痛を起こす原因になるのです。


筋力の弱さも腰痛原因です。

背骨と関係する背筋、腹筋、臀筋(でんきん)(おしりの筋肉)は丈夫でなければなりません。

背骨がいくらしっかりして いてもこれを支える筋肉が弱ければ、

疲れが早くくるだけでなく背骨の動きも不安定で、腰を痛めやすくなるのです。



腹筋が弱いと腰椎が前方に彎曲し、腰椎を 悪化させる大きな原因にもなります。


そしてよい姿勢を保つには、足の筋肉を強くすることもたいせつです。



また、ストレスは心因性の腰痛をつくるばかりではなく


筋肉の緊張を高め、よくない姿勢をつくるという点でも、二重三重に腰痛を生む原因になります。


14腰痛原因の大半は筋肉疲労からくる腰痛症

腰痛原因の大部分は腰の骨からくるものではなく、

三大要因は運動不足、ストレス、慢性疲労で、それに加え、

悪い姿勢、肥満、弱い筋肉などによって起こる、

いわゆる「腰痛症」といわれるものです。


腰痛症は原因不明の症状で、X線写真を見ても異常がなく、

内臓などに原因もないのに腰が痛む、というタイプの ものです。


同じ姿勢で、背骨の筋肉が緊張するような姿勢を長時間とりつづけると

筋肉がこわばり、ウッ血して痛みを起こします



中腰の姿勢で仕事をする人 や、長時間すわり仕事をしている人などに多く、

筋肉の疲労が積み重なって起こると考えられています。



これらは生活習慣が原因なので、改めない限り何度でも再発します。


姿勢をよくして毎日体操を行うのが、腰痛症の予防と腰痛対策にはいちばんたいせつです。

体操は筋肉のこりをほぐして血液の循環をよくするとともに、

筋肉を強化し、再発防止に効果があります。


筋肉の痛みは、入浴などで患部をあたためたり、

マッサー ジや指圧などをしたりしても軽くなります。




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